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エニアグラム タイプ4:自己保存(SP4)※カウンタータイプ

2024年11月24日日曜日

SP エニアグラム サブタイプ タイプ4 生得本能

エニアグラム・生得本能(本能のサブタイプ)サブタイプ別の詳細な特徴、海外書籍情報の翻訳・まとめ

タイプ4:自己保存(SP4)の詳細

生得本能・自己保存におけるタイプ4の「嫉妬」

タイプ4の「嫉妬」の欲求が、生得本能である「自己保存本能」と結びつくと、「自己保存的な嫉妬」が生じます。この種類の嫉妬は、SP4がタイプ4であることを外見的にわかりにくくさせます。自分に向けられた嫉妬によって、SP4は自分の苦しみを内に秘め、その苦しみが「自分ならもっと多くのことに耐え、対処できる」と信じさせます。そして、その苦しみの中で、SP4は自分の未来の夢を守る必要性を感じます。そのため、非常にストイックなSP4も珍しくありません。彼らは痛みを飲み込むことに慣れています。SP4は痛みに耐えることを学びましたが、それに囚われないようにすることも学んでいく必要があります。生存の必要性から、SP4は自分自身に高い要求をし、努力を惜しみません

イチャーソはSP4を「防衛的行動」と呼び、自分の未来の夢を守ろうとする人、決意と献身から愛を期待する、自分自身に厳しい人だと説明しています。ナランホは、SP4が無意識のうちに「誰も自分の面倒を見てくれない」と信じ、その結果としてこのフラストレーションに深く沈んでいく様子を描きながら、自分の面倒を自分で見たいという欲求を抱くようになる人物像を説明しています。

特徴的な構造

Naranjo, C. (2018). "La pereza psicoespiritual" (Translated by star_shine)

自己要求と完璧主義

彼らの粘り強さは、自己要求性と密接に関連しています。この自己要求性とは、もともと他者に向けられていた暗黙の要求が、自分自身に向け直され、そこから「自分の力でその要求を満たさなければならない」という自己革新の姿勢が生じることを指します。自己要求性は粘り強さによって支えられます。それは、要求が次第にエスカレートし、目標が高くなる一方で、それを維持するためのリソースが必要だからです。しかしこの自己要求は、不満と自己嫌悪を伴います。それによって、内面的な空虚さを埋めることができず、自分自身を評価し続ける構造が生まれるのです。このプロセスはSP4に「決して十分ではない」と感じるための仕組みとして機能します。

「私にとっては、何も十分だと思えるものはありません。取り組み終えた仕事にも、いつもどこか満たされない思いが残ります。そのたびに、自分で『これでいい、もう十分だ』と納得させる必要があります」

SP4の完璧さの追求と、タイプ1のそれを区別するのは難しいかもしれません。しかし、SP4の場合、この態度には努力と不満が伴います。SP4が完璧を目指す理由は、劣等感や「自分は不十分だ」という感覚を埋め合わせるためのものであり、その背景には自分の価値を補償しようとする試みがあります。

共感

SP4は、目の前にいる人々の特徴や本質を鋭く見抜き、それを深く理解する優れた感受性と観察力を持っています。聞き上手であり、他者の苦しみに深く共感します。これは、相手の中に自分自身の一部を見出すことや、深い苦しみを経験して培った共感力や自分を支える力が、他者を支える基盤となっているためです。SP4は、その力によって相手を安心させたり、寄り添ったりすることができます。

彼らは沈黙を受け入れ、相手の内面的な空虚感をしっかりと受け止め、それに圧倒されることなく寄り添うことができる性格の持ち主です。また、判断を挟むことなく、深い理解を相手に伝える能力も備えています。SP4は苦しみを通じて、相手との深いつながりを見出すことが得意です。これには、自分がもともと持つ本質的な感情的つながりや愛情の感覚が大きく影響しています。

自分の限界を受け入れることの難しさ

上記に関連するもう一つの側面は、彼らが自分の内的、外的な限界を受け入れることが難しいという点です。抑えどころのない強い欲求は、自身の限られたリソースを無視し、さらに多くの努力や活動を彼らに求めます。SP4は、自分の現実的な限界や可能性を正確に把握できないため、それを意識することなく行動し、しばしば「何でもできる」という感覚に陥りやすくなります。

SP4が持つ深い耐久力や忍耐力は、それと同じくらい深く根付いた「助けを求めることが苦手」という特徴と表裏一体の力です。他者に助けを求めるためには、まず「自分一人ではできない」と認識する必要があります。そして同時に、「他者を必要とする自分を受け入れる」という謙虚さが求められます。

SP4は、自分の本当の必要性を認識することが困難です。それが身体的なもの(睡眠、休息、食事)であったとしても、彼らは自分自身のニーズを十分に感じ取ることができません。この傾向は、自分の身体との感覚的な乖離を経験しているため、または「他者の協力が必要である」という事実を無意識に回避しているために起こります。

マゾヒスティックな態度

SP4は、自己評価が低く、自分に対して否定的なイメージを持っていることがあります。また、他者との関係においては、自尊心を持てないことが多く、「自分にはふさわしくない」という感覚に悩まされることがあります。こうした性質から、特に人間関係においては、屈辱的な扱いや状況に耐え忍ぶことがあります。SP4は、他者から愛や承認を得たいという強い欲求があり、そのために、屈辱的な状況も耐え続け、他者がそれを「愛や感謝の証」として受け取ってくれることを期待してしまいます

洗練

洗練された感覚、美しいものや上品なものへの愛は、すべてのタイプ4(SP4、SX4、SO4)に共通する特徴であり、彼らの深い感受性を象徴しています。しかしながら、SP4の場合、この感受性は身体の硬直や感情の凍りつきによって覆い隠され、その奥深くに潜んでいるように感じられます。

他人の世話をし、助け合いを好む、歓迎的

SP4は、他者や友人、家族との関係において、奉仕の精神と気配りで生きています。このアプローチを通じて、彼らは充実感や自己価値を感じ、愛を表現する実践的な方法を見出します。彼らは物質的にも感情的にも他者を支えますが、時には必要以上にその役割を担うことがあります。奉仕を通じて、SP4は自分のアイデンティティを見つけます。そして、それが自分の価値を感じさせ、帰属意識を得る場所となります。

ストイックでありながら、やや快楽を追求する傾向がある

SP4は仕事を通じて実績を上げることに集中します。その過程では楽しみや喜びを感じる余裕がほとんどありません。SP4にとって、こうした楽しみや喜びは縁遠いもののように感じられます。SP4が喜びを感じるのは、常に「何かを達成したとき」または「誰かのために何かをしているとき」ですが、その感覚はあくまで目標や他者のための活動に向けられています。SP4は「他人と無関係に、自分の幸福を高めるものを見つけること」が難しく、何が自分を満足させるのかを明確に認識することができません。自然と触れ合うこと、静かな時間、一人で過ごすこと、音楽を聴くこと、自分のために時間を使うことなどは、時に彼らが自分に許すことのできるものであり、喜びを感じる可能性がありますが、同時に、自発的に動き、自由に行動し、発言する喜びを感じることは妨げられています。

リソースを見つけ出す力や決断力を持つ創造性

SP4には創造的に解決策を導き出す力がありますが、それは自分のためではなく、他者に関わる問題のために利用されることが特に多いです。SP4の創造性は、障害を乗り越え、別の道を模索し、困難な状況でも諦めず、あらゆる可能性を探る意志に現れます。これは、何事にも前向きに取り組み、困難を突破しようとする態度だと言えます。

心を動かす熱意

彼らは、他者がエネルギーや生きる意志を取り戻し、自分自身を信じられるようになるためのサポートをする際に、この熱意を特に強く発揮します。調和や美に対する深い願望を持ち、その思いから「心の統一や調和は実現可能だ」というメッセージを伝えることができます。この能力は、SP4自身のニーズから生まれていますが、同時に「完璧ではなくても癒しは現実に存在する」という深い洞察にも基づいています。さらに、彼らは「誰もが価値ある存在だ」という考えを共有することで、周囲に希望をもたらします。それこそが、彼ら自身がずっと求め続けてきたものだからです。こうした姿勢を持つSP4は、セラピストとしての資質を備えていると言えるでしょう。

自分に優しさや愛情を向けることが難しい

SP4は愛情深く、親切で思いやりのある性格を持ち、友情や人間関係に対して大きな意欲を持っていますが、自分自身への愛情表現には深い羞恥心があります。SP4には、自分への優しさや愛情表現を抑えようとする衝動があります。これは、SP4の幼少期において、優しさや愛情表現が依存や感情のもろさの表れだと感じ、避ける傾向があるためかもしれません。SP4は周囲に対しては献身的ですが、自分自身にはそのような態度を向けることができません。

人と対立するのが苦手・人と異なる立場を表明するのが苦手

SP4の場合、特に大多数の人と自分の考えが異なる際に、自分が異なる立場を取ったり、反対の立場を表明したりすることがなかなかできません。彼らは疎外されたり、対立したりすることを恐れているため、ほとんど自分の立場を表明せず、ひっそりと異なる立場に留まることが多いです。

硬直

この「硬直」には身体的な硬直と精神的な硬直の両方が含まれます。SP4は、一方的な物事の見方や他者を優先する自己破壊的な考え方に基づく精神的な硬直を持っています(この精神的な硬直は、身体的な硬直や姿勢にも表れることがあります)。また、SP4は常に「もしこうなったらどうしよう」と警戒し、周囲の出来事に敏感に反応しながら、事態が予測不可能な方向に進まないよう、あらゆる兆候を察知し、どのように反応し、予防すべきかを考え続けています。このような緊張は、身体的および筋肉的な硬直としても表れます。

溜め込み

これは、役立つかもしれない物や経験を保存し、蓄積する能力を指します。自分の中にそれらを留めておくことは、一種の貪欲さの表れであり、彼らは「いつでも頼れる追加の内的リソースが自分にはある」という感覚を得るために、こうした行動を取ります。

勇気

勇敢な性格で、挑戦を恐れず、自分にも身近な人にも影響を与える最も厳しい試練に対しても、忍耐と意志の力で耐え抜くことができる人です。特に、掛け金が大きくなるほど、熟考することなく困難な道を突き進んでいきます。

絶え間ない警戒とコントロール

常に警戒し、コントロールを保ちながら、周囲のサインを敏感に察知して、事前に予防的な行動を取るため、注意を怠りません。

皮肉

彼らは、時に面白さや皮肉、さらには軽い風刺を用いて、怒りを昇華させることがあります。自分自身の特徴や人生の重い出来事に対して、繊細で知的なユーモアを通じて痛みを和らげ、少しでも軽やかさを取り戻そうとします。

正義感

彼らは、不当な扱いを受けた経験から生じる、正義への強い欲求を抱いています。平等のために尽力し、戦い、助け合いの価値を信じています。自分の理想に対して非常に厳格に従うことができます。

精神的

欠乏を感じることによって、彼らはその苦しみとそれに伴う不完全感から解放される手段として、また自分自身や人生を理解し、超越を目指す道として、精神的な成長を求めます。しかしながら自我に囚われたままだと、この超越への願望が、犠牲を求めるストイックな探求心や、欠乏から自分を救うための自己犠牲的な神聖性の理想に陥る危険があります。

クラウディオ・ナランホ

Naranjo, C. (2012). "27 personajes en busca del ser"

エニアグラム タイプ4 (自己保存) – 粘り強さ

タイプ4の自己保存型(SP4)は、スペイン語で「耐え抜く人」または「辛抱強い人」と呼ばれることがあります。この表現は、自己に対する欲求不満と高い忍耐力を指し示しています。一方で、エニアグラムの専門用語で、ソーシャル(SO4)は「苦しむ人」、セクシャル(SX4)は「耐えられない人」と呼ばれます。SP4はあまり涙もろいほうではなく、不満を口にせず、人前で泣くことを避け、たくさんのことを内に秘め、痛みに耐え続ける術を身につけた人々です。

SP4の性質を動機という観点から説明すると、どのような背景が考えられるでしょうか。一体どのような欲求が人をマゾヒズム的な行動に駆り立てるのでしょうか。例えば、SP4は親や愛する人にこう訴えているかのようです。「ほら、私が文句を言っていないのがわかりますか?今度こそ私を愛してくれますか?私がどれほどいい子かわかりますか?

SP4は、挫折に耐えることを美徳と見なします。筆者はこれを、映画『アラビアのロレンス』に基づいた逸話で何度も説明してきました。この逸話では、ロレンスがカイロのオフィスで誰かのタバコに火をつけた後、自分の指でマッチの火を消します。それを見た人が驚いて「何をしているのか」と尋ねると、ロレンスは「こうして痛みに耐える訓練をしている」と説明しました。彼は幼少期から、SP4らしいこの美徳――痛みをストイックに耐える力を――身につけており、この特性がロレンスの偉業を支えました。それにより、ロレンスは偉大な英雄としての名声を得たのです。というのも、アラブ人の間でさえ、ロレンスのように砂漠の過酷さに耐え抜ける人はいなかったからです。

SP4にとって「耐えること」は情熱の対象ですが、これをどのように説明すればよいでしょうか。この説明の鍵は「貪欲さの内面化」にあると考えられます。SX4では、タイプ4の「嫉妬」は激しい要求や口頭での攻撃性として表現されます。一方でSP4では、この嫉妬が自分自身に向けられ、「反嫉妬」として現れます。それは、自己を食い尽くすような形で現れる、強い自己要求へと変貌するのです。

サンドラ・マイトリ

Maitri, S. (2001). "The Spiritual Dimension of the Enneagram"

4+自己保存 – 不屈さ

ナランホはSP4を「無謀さ」と呼びましたが、イチャーソはSP4を「防衛的行動」と呼びました。さらに、ジョン・リリーとジョセフ・ハートはイチャーソの「防衛的行動」を引用し、それを「将来のビジョンを守ること」と定義しています。SP4は、自分が生きるために必要だと感じるものを追い求めますが、その行動は軽率です。自分を守るために行動を起こしますが、その結果を熟考せずに行動してしまうため、実際には自分の生存を危険にさらしてしまうことがあります。例えば、「これがないと生きていけない」と感じるまま、無駄に美しい品々を買い集め、その結果、多額の借金を抱えてしまうかもしれません。あるいは、退屈な仕事に耐えきれず、用心深さを捨て、衝動的にエキゾチックな島へのチケットを購入することもあります。ここでは、タイプ4の嫉妬から生じる欲求が、他人が持っているように見える安全と物質的な満足を欲しがり、それを手に入れるために無謀な行動に出る形で現れます。

ベアトリス・チェスナット

タイプ4(自己保存)の説明(2021)

Chestnut, B. (2021). "The Enneagram Guide to Waking Up"

SP4は、苦しみを内に秘め、感情を他者と共有しません。困難な感情に直面しても、「愛されるためにはタフでいなければならない」「幸せそうな様子を見せなければならない」「一人で痛みに耐えなければならない」といった信念に従う傾向があります。彼らは勤勉で行動的ですが、常に「嫉妬」を意識的に感じているわけではありません。その代わり、自分の価値を証明するために努力します。このサブタイプの人々は、感情を大袈裟に表現する傾向は少なく、それよりも自己犠牲的な性質を持っています。外見的には満ち足りているように見えたり、「大丈夫」に見えても、内面では困難に耐えていることがよくあります。SP4は自立心が強く、自律的であり、たとえ多大な努力が必要でも、世界の痛みを癒そうとします。

もしあなたがこのサブタイプであるなら、無意識のうちに自己犠牲的になり、自分に対して過度に厳しく、気楽さや脆さを許さない傾向があるかもしれません。また、「被害者」と見られることを嫌う傾向がありますが、これは子供の頃に周囲から「痛みを表現しても受け入れられない」と感じさせるようなメッセージを受け取ったことが原因かもしれません。そのため、黙って苦しみ、痛みを我慢し、それを表に出さないことで自分の価値を証明しようとするかもしれません。内心では深い悲しみやストレスを抱えているときでも、幸せそうに振る舞うことがあります。心理的にも肉体的にも、多くの痛みを無意識に背負いがちです。他者と痛みを共有し、サポートを受け入れることを学ぶ必要があります。

タイプ4(自己保存)の説明(2021)

Chestnut, B. (2021). "The Complete Enneagram"

SP4は、忍耐強く、苦難に耐える性質を持っています。タイプ4の「カウンタータイプ [1]」として、SP4は内面的な痛みを抱えながらもストイックに振る舞い、その痛みを他者と共有することが他の2つのタイプ4より少ない傾向があります。彼らは、愛される価値を証明するために、痛みに耐えたり、欠乏感を受け入れることを学びます。また、タイプ4特有の「羨望」に浸るのではなく、自分に足りないものを手に入れるために懸命に努力することで、その感情を表現します。

SP4は、感情を誇張する表現(メロドラマ的)よりも、むしろ自己犠牲的な傾向が強いです。彼らは自己に多くを要求し、困難に耐えようとする強い欲求を抱えています。また、努力そのものを重視し、苦しみを乗り越えるプロセスに価値を見出す性質があります。

タイプ4(自己保存)の説明(2021)

Chestnut, B. (2021). "The Complete Enneagram"

SP4:「粘り強さ」(カウンタータイプ)

SP4はカウンタータイプであるため、SP4をタイプ4として識別するのは難しいかもしれません。SP4も、他のタイプ4のサブタイプ(SX4、SO4)と同様に「嫉妬」を経験しますが、他のサブタイプと比べると、SP4は嫉妬や苦しみを他者に伝えることは少なくなります。SP4は「辛抱強い人」であり、苦しみについて話す代わりに、痛みを顔に出すことなく耐え忍ぶことを覚えます。SP4は、SX4やSO4と比べて、痛みに直面した際、よりストイックで強いです。

SP4では嫉妬が表面に現れることは少なく、嫉妬に囚われる代わりに、他者が持っている自分に欠けているものを手に入れるために懸命に働きます。行動を起こせないような憧れに囚われるのではなく、失われたものを取り戻す手段として、「遠くにあるもの」を得ようと努力します。しかし、どれだけ何かを手に入れても、決してそれで満足することはありません。

SP4は、自分の感受性や苦しみ、恥、または嫉妬を他者に見せないようにしますが、実際にはこれらすべてを感じる可能性があり、他のタイプ4と同じくらい深い感情を抱えています。SP4は不満を口にせず、黙って耐えることを覚えます。忍耐は彼らにとって美徳であり、自己犠牲が認められることを望んでいますが、それについて自分から話すことはほとんどありません

他のタイプ4と同様に、SP4は、愛と受容を得るために無意識的に苦しむ必要を感じていますが、SX4やSO4とは異なり、SP4は沈黙の中で苦しみます。不平を言わずに苦しむ意志は、償いを求め、愛を得るための方法です。そのため、SP4は黙って困難に耐えることを美徳とし、他の人がその姿を見て、賞賛し、自分のニーズを満たしてくれることを期待します。SP4は自分の嫉妬心を否定し、その結果、過度に多くの苦しみとフラストレーションを抱える傾向があります。

ナランホが説明するように、SX4やSO4はフラストレーションに対して非常に敏感で、過剰に苦しんだり、他者にその苦しみを強いたりします。一方、SP4はこの逆の方向に走り、フラストレーションを内面化し耐える能力を鍛えるため、タイプ4のカウンタータイプと言えます。SP4はフラストレーションへの耐性を美徳としています。

SP4は自分に多くを要求し、耐える力を養うために、過酷な状況に自分を置き、自己挑戦を行います。あるクライアントはこれを「火の中に身を投げる」と表現しました。SP4は努力に情熱を注ぎ、激しい活動を行いますが、しばしば過剰に緊張しているように見えることがあります。活動レベルが低下すると苦痛を感じ、結果が出なくても生き残るために必要なことを達成しようと強迫的に努力を続けます。場合によっては、自分にストレスやプレッシャーをかけずに生きる方法を知らないこともあります。SP4は自分の脆さを受け入れたり、それを生きる力に変えることができません。

(比較として)SP3は「成功者である」と思われたいものの、虚栄心を外に見せるような人物は尊敬に値しないと考えているため、あえて仕事において謙虚なサブタイプですが、これと同じように、SP4は自分の苦しみを内面化し、SX4やSO4よりも自分の望みをより自律的に追求しようとします。

SP4は、共感的で養育的な傾向を持つ人道的な性質の人です。彼らは他人のために抗議し、困っている人や、奪われた人、不正の犠牲者に敏感です。これは、自分の苦しみを他者に投影し、自分の苦しみについて話すのではなく、他人の苦しみを通して自分の苦しみに取り組む彼らなりの方法の結果です。SP4は他人の痛みに対処したり、「世界の苦しみ」を和らげようとすることで、自分の苦しみと真正面から向き合うことを避けようとします。

SX4やSO4は感情的ですが、SP4は大げさなドラマというよりも、むしろマゾヒスティックな傾向があります。SP4にとって、マゾヒズムは愛を得るためのエゴまたは人格的な戦略です。SP4は自分を重要な部分で軽視してしまうため、彼らが望む安心感と愛を得るための努力が、さらに困難になることがあります。SP4の忍耐への執着は、外から見るとマゾヒスティックに見えますが、それは自分(SP4)が強くて、すぐに回復できるところを見せることによって、他者からの愛と受容を獲得したいという願望から生じたものです。SP4の動機は、不満を言わず、あまり多くを求めない「良い子」になろうとすることで、親に認めてもらいたいという欲求から来ています。

SP4は、自分を証明したいという欲求をマゾヒスティックに演じ、逆に自分自身に対して行動することがあります。彼らは必要な物や欲しい物を手に入れるために努力しながら、無意識のうちに自分の欲求に反する行動をとってしまうことがあります。衝動的になることもありますが、他者から認められるためにはその衝動を抑え、制御しようとします。幸せを求めていながらも、無意識のうちに幸せに対してタブーを感じることがあります。彼らは問題に対処して改善する代わりに、起こっていることを恐れることに多くのエネルギーを使い、必要な行動を先延ばしにしがちです。そして、行動を先延ばしにする自分を責めることもあります。失敗することが予測できる方法や場所で努力し続け、その結果、疲れ果て、努力と価値の低下が繰り返されます。SP4は野心的かもしれませんが、実際には自分の野心に反する行動をとってしまうことが多いです。

以前は「無謀/不屈」と呼ばれていましたが、最近では「粘り強さ」と呼ばれることが増えています。愛を得るために、痛みや危険を顧みず、多大な忍耐力を必要とする活動に取り組むことが特徴です。

SP4は、タイプ1やタイプ3に似ていることがあります。自立や自給自足、勤勉に重きを置く点で、タイプ1に似て見えることもありますが、SP4はタイプ1よりも幅広い感情を感じ、感情の浮き沈みが激しいことが特徴です。タイプ3に似ていると言われることもありますが、SP4は自分の目標を達成するために真に必要な行動とは異なる行動をとり、無意識に、自分の努力があえて無駄になるような方向へと突き進んでしまうことがあります。一方で、タイプ3は自分の目標に向かって努力し続け、成果を上げることが多いです。また、SP4はタイプ3よりも感情的に豊かで、感情を表現することが多い傾向があります。

興味深いことに、SP4は時にタイプ7に似た特徴を持つこともあります。タイプ7は、ある意味ではタイプ4とは正反対の性格を持つタイプです。SP4の中には、「軽い雰囲気の人物でいるべきだ」という意識を持つ人もいます。SP4は多大な忍耐と努力を重ねる一方で、タイプ7のように高いエネルギーを持ち、楽しさや遊び心を求めることもあります。このような傾向は、他のタイプ4ほど憂鬱に見えないタイプ4の存在を説明するのかもしれません。つまり、「晴れやか」で気軽に見えるタイプ4もいるということです。しかし、このタイプ4は、タイプ7とは異なり、感情に対するアクセスがより豊かであり、この点からSP4はタイプ7と区別されます。

ハイキ

The Haiki Enneagram Website

自己保存タイプ4:粘り強さ

「粘り強い」SP4はカウンタータイプでありながら、SX4よりもSO4に近い特徴を持っています。SP4は非常に高い忍耐力を示し、タイプ4の「嫉妬」があまり顕著に表れない一方で、むしろ反「嫉妬」や反「苦しみ」の態度を見せることがあります。SP4にはストイックなマゾヒズムの傾向があり、この傾向は幼いころから観察されます。SP4はほとんど文句を言わず、馬車や荷車を引くように働き、痛みを飲み込むことに特化しているかのようです。

まるでタイプ4の典型的な「嫉妬」がマゾヒズムという欲求に変わったかのようです。このマゾヒズムの欲求に、疑いようのない粘り強さが加わると、まるで火炎瓶のように激しくなります。自分への要求は限界まで高まり、最大となります。一方、SO4の「恥」の感覚も同様に見られますが、その強さはSO4ほどではありません

論理的にいえば、SP4の人生にも苦しみはありますが、その苦しみは外部に表れることが少ないです。彼らはSO4ほど泣くことはありませんが、SO4同様、怒りを表現することが難しく、その感情を内に秘めてしまいます

また、SP4はSP3に似ていることがあります。ただし、SP4の努力する姿勢はSP3と共通していますが、彼らはSP3ほど冷徹ではありません。外見的には、SP3とSP4は非常によく似ています。例えば、SP3はSO3のような強い存在感を持たないため、SP4の方が近く見えることもあります。

このタイプの例として、クラウディオ・ナランホはミゲル・デ・ウナムーノを挙げ、彼について次のように述べています。「ミゲルは非常に憂鬱で信心深い若者で、恋人を深く愛し続けていたにもかかわらず、プロポーズするまでに10年もかかりました。このことから、彼がSX4ではないことは明白です。ミゲルは自分自身に非常に高い要求を課しており、それはキルケゴールやイプセンを読むためだけにデンマーク語を学び、カーライルの英訳やギリシャ語の本を数多く翻訳したことからも明らかです。いずれにせよ、フランコ政権初期の道化師や無知な人々、権力者に対する彼の勇気ある批判は、サラマンカ大学を追われ、職を解かれる原因となりましたが、その勇気は賞賛に値します」

自己要求が高い点では、SP4はタイプ1に似ているかもしれません。しかし、完璧を追求するという点ではタイプ1とは異なります。SP4はよく、何千もの肩書や学位を持っていますが、これはタイプ7が短期集中講座を受けただけで自分が教える資格を持っていると思い込むこととは大きく異なります。とはいえ、SP4は自分の苦しみを内面に保存し、真に「生まれつきの苦しみし者」であると言えます。彼らのエゴは、「私はこの苦しみを耐えるに値する」と信じており、「もっと多くの苦しみも耐えられる」と考えています。彼らはそれにより、自分が特別な存在であると感じ、平穏な日々を一度も味わうことなく一生を過ごすことができるのです。SP4にとって、苦しみや欠乏感は依存症のようなものです。

カルメン・デュラン、アントニオ・カタラン

Durán, C. and Catalán, A. (2009). "Los engaños del carácter y sus antídotos"

SP4: 粘り強さ ⇒ 評価

SP4は、自分が得られなかったものを他者が努力せずに手に入れていると感じており、自分がそれを得るためには「評価」や「認識」が必要だと考えています。「評価」という言葉は、努力と犠牲を払うことで「愛され、認められるに値する人間になれる」という信念を表しています。特別な存在になるための方法は、自己犠牲的な努力を意識的に選び、行うことです。これにより、自分をより良い人間に変え、他者よりも善良になり、同時に内面的な悪いイメージから解放されます。たとえそれが苦しみを伴うとしても、SP4は自分を特別な存在にするための「犠牲」を否定することができません。SP4の粘り強さは、この使命感から生まれた態度であり、いつか自分の苦しみが報われ、全ての人に認められる日が来ることを信じて、努力や犠牲を放棄することはありません


出典:
本記事はPDB(Pdb: The Personality Database)様のwikiであるhttps://wiki.personality-database.com/様の上記リンク先ページを日本語へと翻訳し、訳者判断でアンダーラインを引いたものです。CC BY-NC-SA 3.0を継承しています。


訳注

  1. ^ カウンタータイプ:3種類の生得本能のうち、各タイプの典型的な記述に当てはまらないサブタイプ。カウンタータイプは次の通り:
    SX1(T4やT8との誤認が多い)
    SP2(T4やT6との誤認が多い)
    SP3(T1との誤認が多い)
    SP4(T1, T3, SX6, T7との誤認が多い)
    SX5(T4との誤認が多い)
    SX6(T1, T3, SP4, SX4, T8との誤認が多い)
    SO7(T2との誤認が多い)
    SO8(T2, T6, T9との誤認が多い)
    SO9(T2, T3, T6, T7との誤認が多い)

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