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エニアグラム タイプ2:ソーシャル(SO2)

2025年2月1日土曜日

SO エニアグラム サブタイプ タイプ2 生得本能

エニアグラム・生得本能(本能のサブタイプ)サブタイプ別の詳細な特徴、海外書籍情報の翻訳・まとめ

タイプ2:ソーシャル(SO2)の詳細

生得本能・ソーシャルにおけるタイプ2の「プライド」

生得本能であるソーシャルとタイプ2のプライドが結びつくと、そのプライドは「社会的クライマー」と呼ばれる傾向になります。ここでのプライドは、望む地位を得ることで自分の価値を実感できるという形で現れます。そのため、SO2は非常に冷静で知的なタイプ2になります。外に出て他者と関わるとき、知性を活かすことが大切だと考えているからです。彼らは、他者から「参考になる人物」として認められることを望んでいます。また、知性による魅力で人々を惹きつけ、他者との協力や人脈作り、社会的な交流に優れた能力を発揮します。多くのソーシャル2は、尊敬できる人物像を欠いています。そのため、孤独な子供時代を経て、自分自身が全ての人々の親のような存在、尊敬される人物になろうとします。さらに、彼らは反依存的な態度を示し、相手の期待通りに振る舞うことで相手を頼ろうとするのではなく、彼ら自身が主導して相手を動かそうとします。しかし、意識的に認めるかどうかは別として、実際には依存している相手がいることも多いです。彼らは自分を他人よりも上位に置きたがりますが、この優越意識は、自己中心的な地位への追求や救世主コンプレックスとして現れることがあります。

イチャーソはSO2を「野心」と名付けました。それは、社会やビジネスの階段を駆け上がり、リーダーシップを発揮する中で育まれた、自分が重要人物であるという優越感とプライドを持つ人物像を反映したものです。ナランホはSO2を、プライドが「野心と社会的誘惑」に転じるタイプと定義づけました。SO2はタイプ2の中で最も知的で感情的に冷めており、「表面的な魅力だけを求める軽薄な人物」とはかけ離れたタイプです。

クラウディオ・ナランホ

Naranjo, C. (2012). "27 personajes en busca del ser"

SO2:神に選ばれた者、野心

「私はよく長々と独り言を喋っている。あまりに賢すぎて、自分が何を言っているのかさっぱりわからない時もある」オスカー・ワイルド

SO2は、常に人々の心の中に存在し、誰もが認める模範的な人物として公に認められたいという野心を持っています。彼らは、周囲の注目を浴びることを直接的に求め、「関心を寄せられること」と「愛されること」を混同しがちです。無視されることを恐れるあまり、挑発的であったり、友好的とは言えない態度を取ったりすることもあります。また、影響力のある人物と結婚し、夫婦の目標達成に全力を注ぎ、子供たちを社会的に成功させようとすることもあります。SO2は、タイプ3やタイプ1に近い特性を持つ人物であり、「有能な母親像」や、「完璧な妻像」を体現していることが多いです。

「世の中で話題になることより悪いのは、話題にされないことだ」オスカー・ワイルド

SO2は「私はみんなの友人」というモットーを体現しています。彼らは、自分の社会的領域にいるすべての人々から高く評価されたいという強い願望を持っています。自宅で人々を紹介したり、集まりを企画したりすることを楽しみます。自らを必要とされる存在にすることが非常に得意で、人脈作りのエキスパートです。今日では、彼らはインフルエンサーと呼ばれるかもしれません。清掃スタッフから面識のない管理者まで、ほぼすべての人々に対して親密で誠実な態度で接する彼らを見て、周囲は驚嘆させられるかもしれません。このサブタイプに当てはまるもう一つのモットーは「情報は力なり」であり、彼らは子供の頃からそれを実践しています。

SO2は、社会的領域において常に注目の的であろうとします。人々の記憶に残り、忘れ去られたり仲間外れにされたりすることを恐れる彼らは、周囲の関心を惹きつけ、その場に不可欠な存在であろうとする強い欲求を持っています。特に、グループ内で価値を認める人物との親密な関係を構築し、その人物にとってかけがえのない存在となることを目指します。しかし、自身の社会的魅力に自信が持てなくなった時、SO2は新たなスキルを身につけることで、その不安を解消しようとします。彼らは、精神的な助言から経済的、医学的なアドバイスまで、多岐にわたる分野において他者に有益な情報を提供することで、周囲に良い印象を与えようとします。また、あたかも重要な人物と親しい間柄であるかのように語ることもあります。しかし、このような行動はSO2自身を窮地に追い込む可能性があります。なぜなら、VIPとの交友関係を誇示したいという欲求が、不用意な発言や秘密の暴露につながる危険性を孕んでいるからです。

性格構造に囚われたSO2は、その交際範囲の広さゆえに、注意散漫になりがちです。その結果、身近な人々への配慮が不足し、愛する人々を苛立たせることがあります。彼らは、まるで親のように相手に尽くすことを好みますが、その恩をことあるごとに相手に意識させようとする傾向があります。「私がいないと、あなたは一体どうなってしまうだろうね?」といった言葉が、彼らの心情を端的に表しています。また、SO2は、重要な人物の不始末を庇い、その人物に借りを作ることで、自身の立場を有利にしようとする共犯者のような役割を演じることもあります。

SO2:グループの征服者

ユリウス・カエサルに対する評価は大きく二極化しています。ある者はカエサルの体格の脆弱さと、世界の頂点に立つというカエサルの地位とのギャップに驚嘆し、またある者は、カエサルを「私たちと大差ない人間でありながら、並外れた地位を得た、恐るべき存在」と評しています。マルクス・アントニウスがカエサルに王冠を授けようとした場面に関する記述は、カエサルの複雑な心理状態を物語っています。アントニウスは一度ならず三度も王冠を差し出しますが、カエサルはそれを拒み続けます。しかし、カエサルの内心は必ずしも拒絶一色ではなかったようです。王冠を拒む仕草の背後には、権力への未練や、世間の目を意識する感情が垣間見えます。「二度目、三度目と冠を差し出された時、カエサルは指を離すのに躊躇する様子が見て取れました」。

ユリウス・カエサルに対して、当時の人々は畏怖、憎悪、そして賞賛といった複雑な感情を抱いていたことがうかがえます。「カエサルのように、我々を圧倒的な畏怖に陥れること人物など、他に存在しようか?」「カエサルにとって世界は狭すぎるようだ」「一体、カエサルは何を糧に、かくも偉大な存在となったのか?」「ローマでは、一人の人間がすべてを支配する状況がすでに生まれている」「カエサルを恐れ、カエサルを敬愛したと述べよ」といった言葉が、当時の世相を物語っています。

カエサルは、周囲を圧倒するほどの偉大さを感じさせる存在であり、彼の前では誰もが小さく見えてしまうほどです。まるで、人間の理を超越した別の法則に支配されているかのようです。「昨日までなら、カエサルの言葉は宇宙と対峙する力を持っていた」という言葉が、彼の絶大な影響力を物語っています。

カエサルは、人間的な感情には無頓着で、自身の不屈の精神力を誇示します。そのため、恐怖を感じることを一貫して否定します。「自分より偉大な存在を前にすると平静ではいられない者たちというのは、危険極まりない。私が恐れるものではなく、お前たちが恐れるべきものを教えよう。私は常にカエサルなのだから」「私を脅かそうとする危険は、常に背後から迫るものだった。なぜなら、このカエサルの顔を正面から直視して無事だった脅威が、存在しないからだ」「臆病者は死ぬ前に何度も死を経験するが、勇敢な者は一度しか死を味わわない。私がこれまでに聞いた驚異の中で最も驚きを感じたことは、人が恐怖を感じるということだ」これらの言葉は、カエサルの自信過剰とも言える態度を如実に表しています。

猛々しく、圧倒的な力を持つカエサルは、まさに危険の権化です。「ああ、神々よ、どうか弱者を強者へと変えたまえ」「カエサルがいかに恐るべき存在であるかを、危険そのものが知っている!我々は同じ日に生まれた二頭の獅子であるが、私のほうが先に生を受けた獅子なのだ。そして私は危険そのものよりも恐ろしい!」。その強大な力ゆえに、カエサルは外交すらも軽視するほどの自信を持つに至ります。「このカエサルが嘘をつくと?この腕でこれほど広大な世界を征服した私が、たった数人の老人に真実を語ることすら恐れるとでも言うのか?デキウスよ、『カエサルは行かない』と伝えよ!」「カエサルの血は、甘言や屈辱的な媚びへつらいで揺らぐほど軟弱ではない。愚者をたぶらかすような甘い言葉や卑屈な態度で、カエサルの猛き血を穢せると思うな」。

カエサルが世界の仕組みをどのように理解していたかは「すべては我が意志のなせる業だ」という一文が雄弁に物語るでしょう。カエサルの謙虚さの欠如は、トントン拍子に出世したことによるのかもしれません。「正直なところ、私はカエサルが理性よりも感情に流されている姿を見たことがありません。謙虚さとは、駆け出しの野心家にとって謙虚さとは『はしご』のようなものです。はしごを一段ずつ上り、頂点に到達したら、人は『はしご』を背にして空を見上げる一方で、自らを高みに押し上げてくれた足場を見下すようになるのです」。

カエサルにおいて、思いやりは最も欠如した性質であり、ほぼ皆無と言えます。「偉大さが濫用されるのは、寛容さが権力から切り離されたときだ。もし私がお前たちのようになれるのなら、私ももっと柔和な人間になれるのだろう。もし私が身を屈めて懇願できる人間であれば、お前たちの祈りにも心を動かされるだろう。しかし、私は北極星のように不変の存在なのだ。その不動と不変性ゆえに、天球上のいかなる星とも異なる。天は無数の星の輝きで覆われているが、その中で唯一、自らの位置を保ち続けている星がある。それこそが世界のあり方だ。世界は血肉と知性を持つ人々で満ち溢れている。しかし、その中でただ一人、いかなる重圧にも屈せず、自らの立場を守り抜く者がいる。それこそが私であることを、今から証明しようではないか」(これは、カエサルが赦しを拒否し、暗殺される直前に放った最後の言葉です)。

SO2は、その第一印象から、グループ内で比較的目立つ存在になりやすい傾向があります。しかし、二度目の邂逅では周囲に警戒心を抱かせることも少なくありません。これは特に、自分の考えを率直に伝えたり、詮索好きな視線で人々を観察したり、あるいは相手を不快にさせるような質問で非難した場合に顕著です。彼らは自らの優位性を示すために、隙あらば自分が他者とは異なる特別な存在であることを誇示しようとします

SO2は、自身や周囲によって作り上げられた、不安定な名声の上に立っています。周囲の人々は、SO2が持つ資質を実際以上に大きく見積もることがあります。まるで特別な人物に出会ったかのような印象を抱いたり、SO2との交流で何かしら得をしたと感じたりすることで、その評判はさらに広まっていきます。

しかし、SO2と深く関わるにつれて、周囲の人々はSO2の傲慢さや、「自分と同じレベルにない」と見なした人々への不親切さ、共感力の欠如に気づき始めます。SO2は世界を、「知的」「有能」「成功した」「影響力がある」「強い」「有名」な人々と、「愚か」「遅い」「無能」「不成功」「不平ばかり言う」「弱い」「単純」な人々に二分します。そして、当然のように自分を前者の中に位置づけます。

SO2の周囲には、賞賛と拒絶という相反する感情が渦巻いています。ごく親しい仲間内では高く評価されることが多く、実際、そうした仲間たちもまた、SO2のサークルに属せることを特権だと感じ、誇りに思う傾向があります。そこには、互いを重要な存在だと認め合う共生的関係が存在します。しかし、交流の範囲が広がるにつれて、SO2の侮辱的な態度や見下すような言動に不満を抱く人々が増えていきます。親しい仲間内では、暗黙の了解として互いを受け入れ合う合意が成り立っている場合があります。しかし、SO2の人間関係は非常に密度が高く、関わる人々に強い影響を及ぼすため、交流の幅が広がるにつれて、SO2の強い個性や態度に適応できない人が増え、こうした合意を維持することが難しくなっていきます。

SO2にとって、自分が他人よりも劣って見える状況は受け入れがたいものです。人から軽蔑されるような役割を進んで引き受けることはありません。ただし、困っている誰かを救うためであれば例外的にその役割を担うこともあります。その場合、ためらうことなく行動しますが、それで他人から憐れみを向けられるような真似は決して許しません。

SO2は、他人から好かれることにあまり関心がありません。第三者から否定的なフィードバックを受けても、それに影響を受けたり、反応して自分を変えたりすることはありません。自らを非常に強大な存在だと認識しているため、批判など全く意に介していないかのように振る舞います。それと同様に、人々、出来事、組織、イベント、その他の注目すべき事象について、大勢の前で遠慮なく辛辣な批評を行うことにも、一切の躊躇を感じません。また、自分が「偽りのない人間」「思ったことを隠さない人間」であることを誇りにしています

SO2は、美しさや優雅さを、威厳や地位の象徴として重視します。彼らは豪華な環境との調和を美的価値と見なしますが、自分がその環境に受け入れられないと感じた場合、たとえどれほど魅力的であっても軽蔑の対象にしてしまいます。まるで、自分の批判は事前に受け入れられることが前提であるかのように振る舞い、どんな物事に対しても批判する権利が自分にはあると確信しています。たとえそれが完璧に近いものであったとしても、例外ではありません。

SO2が人を評価する際に重視するのは、必ずしも経済力ではなく知性です。発言、容姿、存在感、立ち居振る舞いのいずれからも知性を感じられない人物は、完全に切り捨ててしまいます。裕福な愚か者よりも、知性に欠けていても誠実な人の方がまだ良いと考えます。しかし、SO2自身の態度は、多くの場合、専制的で傲慢かつ独裁的に映るでしょう。

SO2:野心

タイプ2における「プライド」の情熱は、SO2の場合、世間を征服することによる充足感として現れます。

高度な知性を身に着けたり、知性をひけらかしたりしなくても、大いなる情熱を呼び起こすことはできます。とはいえSO2は「頭が悪そうな美人」として見られることには我慢なりません。SO2にとって、自らを価値ある人物として確立することは極めて重要であり、そのためには知性を十分に発揮する必要があります。プライドを満たすために、自身を重要な存在と位置づけたいSO2は、社会環境を巧みに惹きつけ、集団内で際立った存在として頭角をあらわそうとします。さらには、単に他者より優れているというだけでなく、自分が天性のリーダーシップをも備えた人物として認められることを望んでいます。

イチャーゾはSO2について「野心」という語を用いていますが、ここでいう野心とは、ある意味で「他者より上位に立ち、そこから影響力や有利な立場を獲得しようとする情熱」を指します。SO2は自らを偉大かつ重要な存在として世間に示そうとするします。これは世間全体ではなく、主にパートナーから自分が「なくてはならない存在」だと思われたいSP2やSX2とは異なっています。

冷たさ

タイプ2の中でも、SO2は、感情をあまり表に出しません。タイプ2は、受け入れがたい気持ちや考えを無意識の中に押し込めることで自分を守ろうとしますが、SO2の場合は、この方法が感情をほとんど感じなくすることにつながります。つらい出来事があっても、「固まって」しまい、感情の一部が分からなくなることがあります。

SO2は、いつでも落ち着いた様子で、周りの人に自分の欠点を見せようとしません。もし誰かに、SO2が何かをできない、知らない、あるいはダメなところを見られたら、大きなショックを受けます。SO2にとって、失敗は許されないことなのです。一方で、この冷たさや強さは、SO2自身を守る壁にもなり、過去のつらい経験を思い出させないようにし、自分の弱さを隠すことにも役立ちます。自分を守るために、時には自分の気持ちを笑い飛ばしたり、皮肉っぽく言ったりして、つらい気持ちを軽く見たり、感じないようにします

SO2は、何かを手に入れたいときには、相手に共感するような感情的な態度を見せます。しかし、興味がなくなったり、別の目標を見つけたりすると、急に冷たくなります

SO2は、自分のことしか考えていないため、自分の行動の責任を他人に押しつけたり、自分の気持ちを感じないようにしたり、普通なら許されないようなことを都合のいいように解釈してしまいます。そのため、平気でルールを破り、周りの人のことを考えない行動をとることもあります。SO2は、自分の野心のためなら、周りの人が決めたルールや常識、道徳観を簡単に無視して、目標達成に全力で突き進みます。

SO2は、自分の内面の弱さを見られたくないため、いつも表面的な自分だけを人に見せようとします。心の奥底では、自分の暗い部分や、人より劣っている部分を知られることを恐れています。また、自分のミスを隠すために嘘をついたり、偉そうな態度を取ったりすることもあります。必死に自分を守ろうとして、わざと無邪気なふりをすることで、周りの人を圧倒したり、近づけないようにすることもあります。

自己中心的

SO2は、周りの人から注目されたいという気持ちが強く、人に何かを与えたり、まとめ役をしたり、積極的に行動したり、話したりします。これは、彼らが感じている孤独や満たされない気持ちを紛らわせるためでもあります。彼らは、自分が常に中心にいることで、周りの人から認められ、愛されていると感じたいのです。

SO2にとって、一番大切なのは自分自身です。彼らは、自分のことを他の誰よりも特別な存在だと考えています。そのため、周りの人の行動も、すべて自分に関係があることだと解釈します。良いことも悪いことも、すべて自分に向けられていると感じるのです。そして、自分の欲求を満たすために、周りの人を巧みに利用します。

要求と過剰な批判

SO2の心の中には、いつも不満を抱えている厳しい「父親」のような存在がいます。この「父親」は二つの傾向として現れます。一つは、SO2が決めた目標や理想から外れることを決して許しません。そして、目標を達成したときに初めて、ほんの少しだけ自分を認めます。しかし、その肯定的な気持ちはすぐに消え、すぐに次の目標へと向かいます。もう一つは、常に怒りを抱えていることです。この怒りは、SO2自身に向けられることが多く、自分の健康や休息をないがしろにしたり、周りの人からの優しさや思いやりを受け入れることを拒んだりします。

SO2は、「何をしても、まだまだ足りない」という気持ちを、親から教え込まれています。そのため、時々自分を甘やかすことで、自分を責めるような不安や否定的な気持ちを和らげようとします。また、SO2は、自分が認めた人(権威のある人)の顔色をうかがいながら、その人に認められようとします

SO2は、周りの人に「この人(SO2)がいなければ何もできない」と思わせるために、わざと引きこもるようなそぶりを見せることもあります。

そして、自分自身に対する怒りを、競争心や軽蔑といった形で他人にぶつけることもあります。

カレン・ホーナイは、「誇りと自己嫌悪は、同じプロセスの二つの表現なのです。プライドが高い人は、特定の価値観を尊重し、その価値観の基準に従って、自分が褒めたり誇りに思ったりすることを決めます。しかし、その価値観によって、何を拒絶し、軽蔑し、憎むべきかも決まってしまいます。この二つは切り離すことができないものです」と述べています。

軽蔑

タイプ1と同じように、SO2も親のことをどこか否定的に見ています。そのため、心の奥底では、自分自身や周りの人の失敗、不完全さ、のろさ、愚かさ、悲観的な考え方、弱さなどを激しく軽蔑するようになります。

この軽蔑は、エディプス期(母親と父親という人物が二極化し、一方が理想化され、他方が軽蔑され、その後、両者が共に軽蔑される過程)に始まります。このような考え方をするため、SO2は、自分が両親よりも偉い、あるいは両親と同等のような立場にいると感じてしまいます。両親を尊敬できなくなると、大人になった際に、自分だけが唯一信頼できる権威だと考え、自分自身を基準にするようになります

反抗的で支配的

SO2は、子供の頃から、権力のある人に近づくと、周りの人よりも良い思いができることを知っていました。そして、特別な情報を手に入れたり、みんなで何かを決める時に仲間入りすることで、自分に力を持てることを学びました。

そのため、SO2は、自分は他の人よりも優れている、あるいは何でも効率的にできると信じています。そして、他の人の良いところを見ても、素直に褒められず、まるで嫉妬しているかのように軽視することがあります。自分の考えや立場を、誰かのために譲ることは、ほとんどありません。

SO2と呼ばれる人たちの話を聞くと、人生の中で感情が激しく揺れ動いたり、不安定な時期があったりすることがよくあります。このような経験と、自分は特別だ、周りの人よりも偉いという気持ちが重なり、自分には特別な権利がある、周りの人よりも上の存在だと考えるようになります。この点はSP2と似ていますが、SP2と違うのは、SO2の場合、怒りをあらわにしたり、周りの人に高圧的な態度を取ったりしながら、自分の権利を主張する点です。

SO2は、自分なりのルールを持っています。そして、どのルールを守るべきか、守らないべきかを、自分の都合で決めます。このルールは、その時の気分や状況によってコロコロ変わります。他の人がどんな考えを持っているか、全く気にしません。また、自分にとって都合の悪いことは、忘れたり、無かったことにしたりします。

SO2の役割が不明瞭な状態や、家族内での制限がないことは、SO2が権力を獲得する上で大きな障害となります。なぜなら自分の果たすべき役目が不明瞭な時や、守るべき制限がない状況では、SO2は周囲の意見を聞き入れず、自分の考えばかりを押し付けるようになるからです。 その結果、周囲との協調性を欠き、反発を招いてしまい、結果的に権力の獲得に悪影響が出てしまうのです。SO2は、時にはみんなの仲間(同僚)のようでありたいと思い、また時にはみんなを引っ張るリーダー(父親)のようでありたいとも思っています。

SO2は、批判的な考え方をしたり、人をバカにしたような態度を取ったりします。そして、ナルシシズム的な万能感を持っているため、自分を導ける人間なんて存在しないと思っています。昔、親の言うことを素直に聞いて、利用されたり裏切られたりした経験があり、それ以来、権力に対して不信感を抱いています。

制限への不寛容さ

SO2は、自分の願いを叶えるにも、自分にできることにも、外的な制限があることに気づいていません。 攻撃的で対立的な性格であるにもかかわらず、不思議なことに、他人に対して(たとえ相手を恥ずかしめるような形であっても)制限を課す方法を知りません。 彼らは、虐待や攻撃を受けても、「これは虐待や攻撃である」として認識できず、人間関係を失いたくない一心で、自分を傷つけることさえあります。 さらに、何かを失う可能性を感じたときに彼らが感じる痛みは、単に絆が失われることへの悲しみというよりも、「自分には価値がない」という考えに触れることや、そのせいで見捨てられることへの恐れと深く結びついています。 それこそが、彼らにとって最大の屈辱なのです。

批判への不寛容さ

自分のフラストレーションとは関係なく、エゴはどんどん肥大化します。なぜなら、このサブタイプの人々にとって、他人の前で自分が失敗したり欠点を見せたりすることや、批判されることは、とても耐えられないことだからです。

競争心

SO2は、自己イメージが非常に高いため、競争というものを理解できません。もしSO2に「あなたは競争心が強いですか?」と尋ねたら、間違いなく「いいえ」と答えるでしょう。

彼らは、自分が他の誰よりも優れていると信じており、当然のこととして、そんな自分にふさわしい地位を与えられることを望んでいます。冷静さや自信を保つことはできますが、必ずしもそれが成果につながるとは限りません。競争に加わるということは、すなわち「自分が持っていないものを求めること」を意味します。これは、SO2が内面に抱える欠乏感や欲求、さらには嫉妬と向き合うことにつながります。さらに恐ろしいことには、彼らを無力にする空虚さと対峙することさえあります。

彼らのエゴは、自分に匹敵する価値のある競争相手がいるという考えを受け入れられません。彼らはすでに子供の頃に、最も手強く強力な敵、つまり母親か父親を打ち負かしているからです。SO2には「巨人を征服する」ことへの執着がありますが、征服した相手を見下し、やがて見限る傾向があります。しかし、もしその征服に失敗すれば、自分が最も恐れる「無価値な存在」になってしまうのではないかという不安が湧き上がります。それはSO2にとって、子供の頃のように、軽蔑され、見捨てられ、混沌とした感情の世界と孤独の中に投げ出されてしまうことを意味します。

彼らは、「他者にとって価値のある存在であること」を自尊心の基盤としています。もしそれが叶わなければ、自分には価値がないと感じ、見捨てられることへの恐れに駆られます。「誰もが自分から離れていく、あるいは自分が彼らを遠ざける」と語ることがありますが、それは「孤児である」という物語を再確認し、自己完結する必要性を強調する手段に過ぎません。このような失敗に直面したSO2は、感情を抑え込み、心を凍らせ、誰にも頼らないと誓いながら、自らを立て直すのです。

成功への渇望と失敗に対する盲目

SO2は幼少期から周囲の期待を受け入れ、それが自身のあらゆる取り組みを成功へと導く原動力となってきました。そのため、彼らは本質的に「失敗する」という概念に対する準備ができていません。幻想、抑圧、昇華といった防衛機制、そして自身の壮大な自己概念によって、SO2は失敗を巧みに覆い隠し、決して表に出さないようにしています。

幼い頃から、彼らは自分の能力について雄弁に語り、「私はあらゆることをこなせる」と確信していました。ただし、そのすべてが実際に成功しているとは限りません。重要なのは、大人たちがその話を信じ、彼らがこのスタイルを維持するよう動機づけたことです。これにより、SO2は称賛され、力強い存在であると感じるようになります。彼らは、自分の嘘さえも周囲に信じ込ませる力があると考えています。このようにして、彼らは「重要で革新的なことを成し遂げるべき存在であり、何をしても成功する」という自己イメージを形成していきます。

SO2は成人すると、多くのプロジェクトを想像し、それをまるでとっくの昔に実現したかのように語ります。このため、彼らのエネルギーの大部分は仕事に向けられ、成功を収めることが愛を得ることと混同されます。こうして、彼らは常に新たな目標を追い求め、自身を「有能で魅力的な存在」として作り上げていきます。

SO2は、失敗を昇華することに長けており、たとえ強いプレッシャーを受けても、努力を苦にしないように振る舞います。彼らは、さまざまな個人的・職業的な取り組みを通じて、自分がすべてを達成しているという感覚を維持します。しかし、彼らが成し遂げた功績がどれほど重要であっても、実際には「自分が提供できる以上のものを売り込んでいる」ことが多いのです。その過程で、多くの人が犠牲になっていることには気づかず、それを共有することもなく、結果として自身の問題をさらに悪化させていきます。

仕事での失敗は、SO2が自らの自己破壊的な傾向や、他者にどれほどの苦痛を与えているかを理解する数少ない機会の一つです。

彼らが仕事に注ぐエネルギー、創造性、努力、情熱は、私生活に悪影響を及ぼします。恋愛、家族、友情、さらには自身の健康すらも、彼らにとっては「たまに訪れるだけの荒地」のようなものであり、そこに深く関わろうとはしません。彼らは、遊ぶことや愛情を楽しむことを忘れ、自分の弱さと向き合うことを恐れるあまり、他者との深い関係を意識的に避けるようになります。

極端なケースでは、SO2は食事や健康といった基本的なニーズを軽視するようになります。彼らにとって、それらは優先順位が低く、本当に重要なのは、より大きな価値があると信じる仕事に集中することだからです。最優先すべき課題に全力を注ぐあまり、日常生活に必要なことを後回しにする傾向があります。

失敗したとき、SO2は自宅に引きこもったり、人生の大きな変化を求めて逃避したりします。例えば、社会的な環境、パートナー、仕事を変えることもあれば、場合によっては国を変えることすらあります。また、性、薬物、ギャンブルといった依存行動に逃げ込む場合もありますが、彼らが最も愛し、優先するのは「仕事」であり、それに依存することが最も多いのです。エニアグラムのタイプの中でも、SO2は間違いなく「ワーカーホリック(仕事中毒者)」として定義できるでしょう。

恋愛関係がうまくいかない場合、彼らは友情に依存し、空虚感を紛らわせようとします。しかし、仕事での失敗を経験した際には、そのエネルギーをパートナーに向け、相手に対してより大きな期待を抱くようになります。彼らは旅行を計画したり、パートナーの生活にルールを課したり、まるで自分が「理想のパートナーのための戦略マニュアル」を持っているかのように振る舞い、相手を「改善」しようとします。こうして、彼らは自身の野心をパートナーに投影するのです。

この成功への執着は、「決して十分ではない」という感覚として表れることがあります。これは、母親的存在から受け取った「あなたは決して十分ではない」というメッセージと一致します。彼らがどれだけ目標を達成しても、それは自身の壮大さや必要不可欠性を証明するための儚い確認に過ぎません。しかし、彼らの内面にある空虚感は決して満たされることはなく、次々と新しい目標を追い求め続けます。

嫉妬

嫉妬は、SO2にとっての「魔物」です。自分が嫉妬していると認めることは、自分に足りないものや満たされない欲求と向き合うことを意味し、それは自分の不完全さや感情的な空虚感を突きつけることになります。タイプ4とは異なり、SO2は嫉妬を自己成長の原動力として利用します。他者が持つものを手に入れるための起爆剤として嫉妬を活用するのです。しかし、彼らの関心は常に他者へと向かい、相手が持つ権力や才能、特別な資質に目を向けます。もちろん、ここでもタイプ4とは対照的に、SO2は嫉妬を抱いたとしても、それを表に出すことはありません。SO2にとって賞賛を得るためには、「役に立つ存在」であることが不可欠なのです。

サンドラ・マイトリ

Maitri, S. (2001). "The Spiritual Dimension of the Enneagram"

タイプ2ソーシャル ─ 野心

SO2は、社会的な成功を目指す人々です。彼らは社会的な地位や順位にとても敏感で、自分が属するにふさわしい場所に属しているという感覚を得るために、トップにいる人々に受け入れられ、同調することに強い意欲を持っています。自分が誰と一緒にいるか、そしてその人がどれほど重要人物であるかが、SO2の社会的な立場を決める基準になります。自分が目指す地位に到達したとき、自己承認や自分が価値のある存在であるという感覚を得ることができます。これがSO2にとっての、タイプ2の「プライド」の衝動の形です。また、所属しているグループや、つながりを求めるグループの中で、自分が「特別で素晴らしい存在」として認められることを望み、重要でない存在や平凡な人物として見られることを拒否する姿勢にも、この「プライド」が現れます。

ベアトリス・チェスナット

タイプ2(ソーシャル)の説明(2021)

Chestnut, B. (2021). "The Enneagram Guide to Waking Up"

SO2は、SP2やSX2よりもリーダーシップの特性が強く表れます。権力や影響力を重視し、グループを「惹きつける」ことを必要とします。自分の有能さや自信を前面に出し、大衆の関心を引くのが得意であり、人前で話すことを楽しむ傾向があります。最も特徴的なのは、何かを得るために戦略的に他者に与えることです。政治的な駆け引きに長けていますが、自分の脆さを見せるのは苦手です。自分の欲求を否定し、直接的に助けを求めることをためらう傾向があります。タイプ2のサブタイプの中で最も支配的であり、欲しいものを手に入れるために操作的な行動をとることが多いです。

あなたが、もしこのサブタイプに当てはまるなら、あなたのプライドが「重要な存在になりたい」「権力を持ちたい」という欲求をどのようにかき立てているかに、気づいていないかもしれません。あなたの親切や寛大な行動は、実はコントロールや影響力を得るための戦略である可能性があります。他者を支援することでコントロールや操作を行っているかもしれません。もしもアドバイスや助けを拒否されると、怒りを感じることがあるでしょう。表面的には温かく寛大に見えますが、権力を求めたり支配を行使する際には冷徹になることがあります。脆さを見せることを避ける一方で、人を引きつけるために(偽りの)脆さを演じることもあります。自分のエゴが求める「強さ」と「影響力」のために、疲労や悲しみを抑え込むことがあります。

タイプ2(ソーシャル)の説明(2021)

Chestnut, B. (2021). "The Complete Enneagram"

SO2は、環境やグループを魅了する存在です。力強いリーダータイプであり、聴衆を支配することで得られる満足感として、タイプ2の「プライド」が表れます。タイプ2の中でも、SO2はより成熟した特徴を持ち、プライドが最も顕著に現れるサブタイプです。SO2は、影響力があり、極めて有能で、賞賛に値する人物という自己イメージを作り上げます。「野心」という名称は、SO2が「トップに立ちたい」という願望を持ち、その高い地位によって利益や特権を得ようとする姿勢を反映しています。このサブタイプは、「何かを得るために他者に与える」傾向が最も強く、寛大さを示すときも、常に戦略的な計算が伴っています。

タイプ2(ソーシャル)の説明(2021)

Chestnut, B. (2021). "The Complete Enneagram"

SO2は、人々やグループを引きつける存在であり、大勢の前で堂々と振る舞うことができる、大人らしくてリーダー的なタイプです。SP2やSX2とは異なり、SO2は力強さや知性を前面に出し、人々にそのような印象を与えます。彼らは権力への強い欲求を持ち、「私は影響力がある人物だ」という自己イメージを築くことでプライドを満たします。

SO2は、野心的であり、影響力のある人物と人脈を築き、重要なことを成し遂げ、リーダー的な地位につくことによって賞賛されたがる傾向があります。そのため、タイプ2の中でも特にプライドが顕著に表れるサブタイプといえます。SO2のプライドは、聴衆を魅了し、その心を掴むことで得られる満足感として現れます。

子供っぽいSP2や、文字通り誘惑的なSX2と比べると、SO2はより大人びた「権力志向のタイプ2」です。自ら会社を経営していたり、組織の中で高い地位に就いていたり、専門分野でリーダー的な役割を担うことが多い人物です。

タイプ2の中でも最も知的なサブタイプであるSO2は、プライドを満たすために「重要な人物」であることを求めます。そのためには、知性を活かし、より多くの影響を与えられる立場を築く必要があると考えます。彼らの誘惑の手法は、印象的な存在であること、卓越した能力を示すこと、豊富な知識を持つことによって、大きな集団に影響を与えることにあります。

SO2の「野心」という名称は、彼らが「トップに立つこと」「情報を掌握すること」「権力を持つ人物と関係を築くこと」に強い情熱を抱いていることを示しています。SO2は、「他者より優れた存在であること」への強いこだわりを持っています。賞賛されたいという欲求が強いため、競争心が旺盛であり、時に他者の感情に無関心、鈍感、あるいは否定的な態度をとることがあります。彼らは(無意識のうちに)「誰もが私のようになりたがっている」「他者は私より能力が劣る」「私の卓越したスキルに嫉妬する人々が、私に攻撃を仕掛けようとしている」と信じる傾向があります。

SO2は、グループ内で影響力を拡大し、より大きな組織が自分にとって有利に動くよう、巧みに舞台裏で立ち回ります。彼らは、戦略的に支援を提供し、グループやコミュニティ内の個々の人々を調整することで、忠誠心や尊敬を獲得する方法を心得ています。このプロセスはしばしば潜在意識のレベルで行われますが、SO2は「自分が得るために、相手に与える」という戦略に最も強く依存し、他者との関わりにおいて頻繁にこの手法を用います。SO2が寛大さを示すとき、それはほぼ常に計算された戦略の一環です。彼らは、忠誠心や相互関係を確保するために他者を支援し、好意や利益を提供することで周囲に影響を与え、報酬や好意的な評価を約束して物事を進めます。

SO2は、タイプ2の中でも比較的、内向的な傾向を持つことがあります。彼らは、権力や権威を印象づける公のイメージを巧みに構築することができ、これにより観衆の前では優れたパフォーマンスを発揮します。しかし、その一方で、舞台裏ではよりプライベートな時間を必要とし、一定の距離を置くことを好みます

SO2は、仕事中毒に陥りやすく、全能感を抱くことがあります。彼らは熱心で、自信に満ち、ときには自信過剰になり、時折、躁的な振る舞いを見せることもあります。権力闘争に巻き込まれやすく、支配的になったり、保護者的な立場を取ろうとしたりする傾向があり、縄張り意識を強く表すこともあります。また、自分の仕事や目標に対して非常に前向きであり、「私なら何でも成し遂げられる」と信じる傾向があります。

このサブタイプの人は、恥、恐怖、絶望、不信、嫉妬、羨望といった脆さを伴う感情を否定しがちです。しかし時には、自分が実際には脆く見えていないにもかかわらず、脆さを感じているかのように振る舞うこともあります。また、観衆の前であえて自分の脆さを演出して見せることで、特定の反応を引き出そうとすることもあります。しかし、無意識のうちに不健全な状態に陥ると、他者に対して権力と支配の立場を取り、自分では助けているつもりでありながら、無意識のうちに他者を利用していることもあります。

SO2は、タイプ3やタイプ8に似た特徴を持つことがあります。タイプ3と同様に、SO2は目標志向が強く、競争心があり、仕事で成功を収めることが多いです。彼らは多くの仕事をこなし、グループを率いる影響力のある人物として評価されます。しかし、SO2はタイプ3よりも柔らかく温かみのある雰囲気を持ち、目標達成の過程で他者と感情的につながることもあります。特に、そうした温かさや脆さ、感情を意図的に活用することすらあります。一方、タイプ3は脆さを表現することが少ない傾向があります。

タイプ8と同様に、SO2も強い影響力を持ち、他者を保護し、大局的な視点を重視します。しかし、タイプ8とは異なり、SO2はより頻繁に脆さを示すことができ(または、それを意図的に活用し)、他者をサポートしたり、コントロールを確立する際に、感情をより容易に表現する傾向があります。

ハイキ

The Haiki Enneagram Website

タイプ2ソーシャル:野心

SO2は外向的な傾向が強いため、「皇帝」と呼ばれることがあります。彼らは非常に野心的であり、男女ともに肉体的に強靭な傾向があります。頻繁にトレーニングを行い、細く引き締まった腰と力強い胸部を持っています。この「鎧」のような特徴が、無意識のうちに彼らに自信を与え、自分には敵などいないと感じさせます。そのため、SX2に比べて感情的な側面が抑えられ、冷徹に見えることがあります。また、SO2は時としてタイプ1に似て見えることもあります。プライドや「重要な存在でありたい」という欲求が強すぎるように映ることがあるためです。もし、正当な目的のためにリーダーを任命する必要があるなら、SO2はその役割に適しています。タイプ1もリーダーになり得ますが、人々を惹きつけるには強いカリスマ性が必要となります。SO2は、特に自分の仲間を守ろうとする意識が強いため、時にはタイプ8のように見えることもあります。彼らは剣と盾で自分の「部族」を守り、助けを必要としていると判断した人々を(たとえ頼まれていなくても)助けようとします。一見、これは親切な行為のように思えますが、実際には当初の印象よりも複雑な要素が絡んでいることが多いのです。

SO2は、他者を引きつける強い魅力を持ち、しばしば「イタリアの母親」のようなイメージ(つまり、子供の世話を焼き、必要以上に介入し、時には子供にとって望ましくない形でも「良かれと思って」コントロールしようとするようなイメージ)と結びつけられます。SP2とは異なり、SO2は非常に競争心が強い傾向があります。自分を他者と対等な立場に置くことが難しく、しばしば自分を他者より上位に位置づけようとします。そのために肉体的な力を誇示することも厭いません。協力関係を築くことは容易ではなく、指示を出すことを好むため、共同作業が苦手です。また、他者に助けを求めることも極端に難しいと感じる傾向があります。SO2は比較的強いエネルギーを持つタイプですが、興味深いことに、一部のタイプ9の人々が自分をSO2だと誤認することがあります。しかし、タイプ2(特にSO2)とタイプ9には、二つの根本的な違いがあります。SO2は、特に男性の場合、より硬質なエネルギーを持ち、ときにナルシシズム的な傾向を示します。一方で、タイプ9はよりマゾヒスティックなエネルギーを持つ傾向があります。この違いは微妙なものですが、見分けるヒントとして、タイプ9は「私は何でも耐えられる」と言うのに対し、SO2は「私は何でも成し遂げられる」と言う傾向があります。SO2は、自分のニーズを表現したり、物事がうまくいっていないことを伝えるとき、非常に強い恥ずかしさや当惑を感じることがよくあります。

カルメン・デュラン、アントニオ・カタラン

Durán, C. and Catalán, A. (2009). "Los engaños del carácter y sus antídotos"

SO2: 野心 ⇒ 権力

SO2が真に追い求めているものは「権力」であると考えられるため、筆者たちはこの用語を用いることを好みます。権力を求める結果として、野心的な態度が現れます。自身の特別さを証明するために、誰にも反論されない支配的な地位を得ようとするのです。この欲求が強すぎるあまり、本来のニーズは抑圧されてしまいます。リスクを取る能力があるため、起業家精神や冒険心を備えているように見えますが、実際には、これらの力は感情的に重要な人物への強い依存を隠す役割を果たしています。SO2の野心の方向性は、世界全体や、以前から価値があると見なしている特定の人物からの承認を得ることに向けられています。こうした人々からの承認を得ることは、リスクに立ち向かうことそのものよりも大きな目標となり、成果の真の達成よりも重視されることがあります。魅力的な態度を維持することには合理性があります。なぜなら、他者がSO2を賞賛し続ける限り、彼らは寛大で慈悲深く人と関わることができるからです。しかし、承認ではなく反対に直面すると、魅力的な態度は冷淡さや頑なさに取って代わられ、個人的な成果が他のあらゆるものよりも優先されるようになります。

ラ・ミラダ・リブレ

Psychology of Ennea-types Volumes by Claudio Naranjo Interpreted by La Mirada Libre

SO2:野心(皇帝・皇后)

次にSO2の説明に移ります。SO2は、ただ家族の誇りや「パパの目に映る可愛い娘」でいることに満足しません。彼らは、エニアグラムにおける「野心」の体現者であり、真の征服者です。家族や友人だけでなく、周囲のすべての人から「個人的に重要な存在」として認識され、自分が人々の人生において参照されるような人間となることを望んでいます。

幼い頃から大人と接する機会が多く、家族の中でも「子供」としてではなく、重要な存在として扱われていました。また、兄弟との交流が制限されていたため、同世代の子供たちと対等に関わる術を学ばず、他者を競争相手、あるいは自分が優位に立つべき対象として見るようになりました。そのため、大人になっても人間関係を「善か悪か」、「味方か敵か」といった二元的な視点で捉える傾向があります。

人を階層的に捉え、地位と個人の価値を混同しがちです。愛されないことには無頓着かもしれませんが、無視されることは決して許せません

このサブタイプは、タイプ2の中で最も共感性が低く、計画を立てて、問題を解決し、ミスを処理し、意思決定を行い、社会的認知能力や作業記憶を活用するため、しばしばSO2はヘッドセンターのタイプ(タイプ5、6、7)やタイプ1と誤認されることがあります。SO2は自分が誰よりも優れた判断力を持っていると確信していますが、その内面には激しい自己卑下と深い孤独感が渦巻いています。

自分にも他者にも厳しく、チームでの協力が難しいことが多いです。自分が関心のない仕事を他者に任せることで、周囲をうまく利用しながら、創造的な活動、組織作り、社会的関係の構築、新たなプロジェクトの構想に専念することがあります。

自らの領域において模範的な存在であることが、彼にとっての自己実現につながります。幼少期に早くから大人としての役割を求められたため、感情を抑え込まざるを得ませんでした。7〜8歳の頃にはすでに「子供時代」は終わっており(この点はタイプ1やタイプ8と共通する特徴です)、幼少期から成熟を強いられたのです。

子供の頃、彼らは「選ばれた存在」であり、特別な愛を受けるに値すると感じていました。しかし、両親にとって都合が悪くなったり、もはや役に立たないと判断された途端、無視され、軽蔑されるようになり、深い屈辱を味わいました。以来、SO2は肉体的な限界を感じることなく懸命に努力し、承認され、愛されることで失われた尊厳を取り戻そうとしてきました。そして、どのような状況でも、「特別な人」とは「無条件に愛してくれる存在」だと考えています

このサブタイプには男女差が見られるものの、共通するのは、幼少期に「利用され」、持ち上げられた末に「王座を奪われた」という経験をしている点です。

皮肉なことに、愛を与えられると彼らはそれを疑い、心を開くことができません。他者に助けを求めたり、自身の脆さをさらけ出すことは、「弱さ」だと考えているからです。幼少期に、弱さを押し殺し、早く大人にならざるを得なかったことが影響しています。そして、自分が期待したほど愛されていないと感じると、「裏切られた」と解釈し、相手や権威、集団を容赦なく切り捨てるか、説明もせずに距離を置いてしまいます。

SO2はヘッドセンターに似た特性を持っています。その行動の方向性は「反発」です。


出典:
本記事はPDB(Pdb: The Personality Database)様のwikiであるhttps://wiki.personality-database.com/様の上記リンク先ページを日本語へと翻訳し、訳者判断でアンダーラインを引いたものです。CC BY-NC-SA 3.0を継承しています。

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